天覧山駅について、他。

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天覧山駅

2005/09/08 OUT

図:N Sano氏作成 天覧山駅再現図

天覧山駅跡

東飯能-高麗間の高架手前、ゆるくカーブした終わりに天覧山駅跡が存在します。

全景
左の電柱傍にある土盛のようなところがホーム跡です。大谷石がわずかに残っています。
井戸のあった場所あたりから丁度崩したそうです。
駅前跡
桜の古木が一本残されています。

天覧山駅について

昭和4年9月10日に武蔵野鉄道吾野線が開通しました。「武蔵野鉄道沿線案内」によれば、当時の停車駅は「飯能-高麗-虎秀-吾野」のようです。そこへ、昭和6年4月1日に天覧山駅が開通しました。東飯能駅はその後の開通となります(八高線も未通です)。

「武蔵野電車 電車・バス路線案内図」のメモ書き(2005年10月2日の「西武トレインフェスティバル2005」での「池袋線90年の歩み」の展示資料)によれば、天覧山駅は東飯能駅から1.4km、高麗駅から2.6kmの位置になるそうです。

天覧山駅は第二次大戦で駅員が不在になり、廃止に至りました(同様のケースは、武蔵横手駅など数駅あるそうです)。

天覧山駅年表
昭和6年4月1日
(吾野線)天覧山駅開通
昭和20年2月3日
休止。
昭和21年10月10日
廃止。

出所:飯能市郷土館 H6.3.30発行 / 「飯能昭和史年表」P7より

この駅から西へ真直ぐ国道299号を横断、平岡レース(株)裏から西武産科病院の表を通りニコニコ池の所に向け桜並木通りがあったのですが、現在では住宅が立ち並び、その道の全てを辿ることはできません。

天覧山駅ホームについて

天覧山駅のホームは大変小さなものでした。

線路の西側に、長さ約19m、高さ1m、幅約5mの屋根のないホームがあり、東飯能駅側に階段が設けられ、その近くに井戸がありました。

参考:ホームの概要図は「東飯能駅・温故知新」(東飯能駅記念誌刊行委員会/平成11年(1999)3月31日発行) P11に掲載されています。

天覧山駅駅舎について

駅舎は小さく、駅員は一名のみでした。航空写真を見ると、ホームの西側、東飯能寄りに設置されていたようです。

戦後、一戸建ての西武鉄道社宅として使用されていましたが、昭和30年を前にその家族が引っ越し、後に取り壊されました。

天覧山駅利用者について

天覧山駅の利用者は少なく、地元の通勤通学、あるいは病院利用者(お見舞い等)が主で、天覧山行きの観光客はたいてい飯能駅を利用したとの話もあります。天覧山へ行くための駅としては場所が「行き過ぎている」らしいのです。

ただ、桜の咲く頃に天覧山駅から桜並木を歩いた人は多かったようです。

周囲の様子について

周囲に民家はなく、とても寂しいところであったようです。

駅前からは桜並木の通りがあり、真直ぐな一本道で天覧山麓まで続いていました。

蛇足ですが、天覧山駅から高麗駅の方向に大きな踏切(柱:現在は高架化され、道路は下を潜っています。)があり、ここでは踏み切り番が夜通しで業務にあたっていました。

復活の話もちょっとだけあった模様。

それから九月九日には、松永東氏がちようど副知事と一緒に飯能にあります天覧山駅の復活問題について来ましたから、その席上松永東氏に、あなたを今元加治地区ではほとんど神様のように考えているようです、あなたが中に入つてくださればこれがまとまるかもしれないから、ぜひまとめてくれるように、円満に解決するようにというふうにお願いしましたが、これもとうとう成功せずに終つたのであります。

第012回国会 地方行政委員会 第4号 昭和二十六年十一月一日(木曜日) / 発言者:増島徳 / http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/012/0320/01211010320004a.html

謝辞

天覧山駅調査にあたり、多くの方々のご協力を頂きました。 心からお礼を申し上げます。

参考文献

天覧山駅近隣住人の方に頂いた資料

ご本人様意向により、顔は黒塗りさせて頂きました。

「天覧山の空洞」は存在しない!?

2005/06/02 OUT

「天覧山の中は空洞だ」

一部地元で語り継がれている「天覧山空洞説」ですが、その根拠が怪しい。「空洞説」の裏付けとして、「岩を踏んだ際の音が空洞の存在を思わせる」というものと「洞穴の存在」があります。しかし、本当に内部が空洞ならば踏んだだけで異音のする場所を歩くべきではありませんし、洞穴に関しても、その全長距離の短さから、「空洞説」と洞穴の関係においてはこれを根拠とするにはちょっと弱いかなと思うのです。

レポート

2006-04-03:追記

火の痕跡を確認しました。人が居ないとは限りませんので、訪問の際はご注意ください。

入り口
入り口は険しく、あまり便利な入り口ではない。
虫
「うわー誰ですか!!」とかお互いにびっくりの巻。このカマドウマ、嫌がらせなのかわざわざ人の頭に降りかかってくる。
内部(入り口付近)
左にゆるくカーブしながら奥へ続く。この洞穴は非常に人為的な作りである。
内部(中間付近)
最初の突き当たり。しゃがんだ頭の位置に、住宅で言うところの花瓶とか小物を置くような場所がある。掛け軸をかけるスペースはない。
内部(突き当たり)
タイヤ等のゴミが散乱している行き止まり部分。これ以上は続いていない。

まとめ:

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