2006/01/06 OUT
戦前に採掘が盛んだったらしい竜崖山の鉱山跡を探す。
ここにはかつて、大河原城という戦国(室町)時代の山城がありました。一般的な城イメージとしての平城とは違い、戦術的な性格を強く持つが山城です。なお、大河原城については「大河原城」 [北武蔵城郭フォーラム]をご参照ください。
龍崖山頂上へはハイキングコースのような道を登って行きます。山の麓は緑が多く、岩石らしいものは見当たりません。本当に鉱山なんだろうかと思いながら、斜面を真っ直ぐに走る険しい道を登って行くと、山頂手前からいろは坂宜しく道が蛇行をはじめて緩やかになります。最初からそうであって欲しかったです。
そんな風に思っていると、突然右側に坑道が姿を現します※1。気付けば周囲の山肌には岩石が露呈していて、ところどころに黒い"ずり"(屑石)が散らばっています。
間もなく頂上へ付くのですが、頂上の真下に坑道跡と思われる窪みを見つけました※2。穴は見当たらないものの、ずりが落ちているので、どうやらここでも掘ったみたいです。(よりによって頂上の真下・・・)
頂上は平地になっていて、松の木などがキレイです。
頂上を越えて西側へ抜けようとしましたが、見込みがなかったのでスルーしました。尚、私が目視する限りにおいて、ハイキングコースや頂上付近で上記以外の坑道跡は見つかりませんでした。
2006年1月、「沢沿いが臭う」と龍崖山東側を辿って行くと、突如開けた場所に行き当たりました。なんだか体がびんびん(意味深)してしまって、早速斜面を一気に駆け上がってみると、目の前に大き目の坑道が待っていました※3。
中は広めで楽に入れます。入って直ぐに崩落跡があり、崩れた岩が山盛りになっていました。
山盛りの土砂を超えて、さらに深く進もうと足を踏み出すと、下はぬかるみ。先ほどの山盛りの土砂のおかげで水はけが悪くなっているようです。さらに良くないことに、そのぬかるみが湿度を高くしているらしく、視界もデジカメの画像もモヤだらけになってしまいます。これ以上は結果が望めそうにないので引き返すことにしました。悔しい。
開けた斜面はまだ上まで続いていて、まだ何かあるのではとさらに斜面を登ってみました。足元は大小様々なずりが転がっています。しばらく登って、やっと樹木が生えている場所へたどり着くと、そこには至る所に坑道を埋めた痕跡がありました。
尾根付近でもいくつかの坑道跡を見ることが出来ました。その中で、屈んで入れる坑道を見つけたので早速入ってみました。
中に入ると便所コウロギがお出迎え。入り口の光が見えなくなる辺りで坑道が分岐しています。まるで迷路のようです。
分岐を右へ進んでみました。その先に行くと、下方に下り坂の坑道が伸びていました。
デンジャーな香りは頂けませんので、ここで引き返すことにします。坑道内で方向感覚が無くなってしまったのでそのまま脱出。
斜面を降りて、もう少し沢沿いに登ってみたところ、沢を挟んで反対側の山斜面に坑道が開いていました。中は水溜りになっていて、ぬかるんでいそうです。
ここから少し進んだ場所に、露天掘りのような場所があります。坑道が崩れたか、あるいはなんでもないのかは分りませんが、ずりらしき石はたくさん落ちていました。
尚、ずりっぽい岩が落ちているからと沢をさらに登ってみましたが、何も見当たりませんでした。尾根まで登ったのに詐欺だ。
まさかこれほど穴だらけだったとは思いませんでした。頂上の真下を掘っているくらいですから、相当やりまくったんだと思います。
大きな坑道もいくつかあって、長さもそれなりあるのではないかと思います。非常に気になるところです。
2006/02/10 OUT
どこまで続いているのか分らない穴があったら入ってみたくなるじゃん、永遠の8歳児なら。
前回見つけた、沢沿いにあった大き目の穴(※4)には大いに期待していて、きっと40mくらいの長さがあるんじゃないかなとか予想していました。
それを確かめるべく、到着早々にそば屋に立ち寄る江戸っ子の如くフランクな感じで入り口をくぐってみました。
内部に入ると、入り口からすぐの場所は地面が若干ぬかるんでいて、奥の方は湿っている程度になっています。入り口から歩いて10m程で先が見えてきました。
崩壊しているように見えなくもない感じに行き止まりになってます。この手前で道が右にも分かれているのですが、そこも2m程で行き止まりになっていて、ちょっとした部屋みたいになっています。
広々としていてなんかちょっと落ち着くので、ここでデジカメのバッテリーを交換したりして休みました。それにしても期待していたような坑道の規模でなくて残念です。
次に向かったのは、前回立派な玄関だと誉めた斜面の上の坑道(※5)です。記憶がおぼろげでここで撮った写真かどうかわからないんですけど、壁際に腐った木が立っていました。多分これは坑木ではないでしょうか。この山の反対側の方にも子供らが七つのほらあなと呼んでいたマンガン坑道があり、ここにかつて坑木の組まれた穴があったと聞いたことがあります。これがこの近辺で唯一の坑木でしょうかね、生坑木ですね、興奮しますね。
しかし、ここの坑道も10m程で行き止まりの様子。
残念だなーと思っていると、「シャー」と水のようなものが流れる音。懐中電灯の光が右方向から飛沫してくる物体を照らしていました。「何この茶色い粒、崩れてるの?」と思って危機感を感じていたら、実は私にビックリして飛んで逃げるカマドウマの大群だったのです。そら向こうさんも危機感持っただろうに、申し訳ない。
龍崖山東側斜面には大量のズリが落ちていて、前回から引き続いてこのズリを排出した坑道を探しているんですが、全く見当たりません。北寄りの斜面には埋没した坑道跡と思わしき窪みが多くみられるものの、それ以外の場所ではさっぱりです。
結局、斜面を登り過ぎてしまい、頂上へ向かう登山道へ出て来てしまいました。せっかくなので、登山道沿いに見かけた坑道(※1)を見てみることにします。
入り口に土砂が盛ってあって意外と狭いです。懐中電灯で内部を照らしてみると、坑道は続いてなくて、ただ穴が開いているだけの状態になっていました。残念だなー。
頂上へ着くと、そこからは市街地を望むことが出来ます。その反対側には、開発中止となった造成地が開けています。
疾うの昔に閉山となった龍崖山。今はモグラだけが穴を掘り続けています。